記憶の定着について


WIREDに掲載されたUCLA忘却研究所の責任者によれば、「ひとつのテーマを集中して勉強するよりも、
(関連性のある)幅広い事柄を混ぜて習得する方が効果がある。」ということです。
この方法を氏はインターリーブ(interleaving:交互配置、挟み込み)と表現しています。
例えばテニスなら、サーブを1時間練習するのではなく、バックハンドやボレー、オーバーヘッド・スマッシュ、
フットワークなど幅広い技能を混ぜて練習することだそうです。
一度に習得できる一分野の知識量は少ないのだけれども、個々の分野を連関させて記憶できるので、
大きな学習効果があるらしい。面白い話ですね。
ただ実際面、面白くて気分がノってきている時に別の分野の勉強に強制的にシフトするのは、場合に
よってはストレスになるかもしれません。

それともうひとつ、氏はこんなことも言っています。
「学習してから時間を空け、それから再び学習した場合、空けた時間が長いほど2度目の学習後には多く
のことを覚えている」
何かを学習すると、実際にはそれを決して忘れない。そしてその記憶にアクセスし、取り出すことができた
情報は、将来さらに思い出しやすくなるのだそうです。
よく、記憶を定着させるために、漆塗りのように反復学習せよという話は聞きますが、反復の間隔も重要
ということのようです。

カナダの心理学者タルビングという人も、1ヶ月以内に復習すると、記憶力が増強すると言っています。
記憶の情報というのは、側頭葉から海馬を経て側頭葉に戻ってきて、そこで保存されているらしいのです
が、側頭葉から来た情報は、約1ヶ月ほど海馬に留まっているのだそうです。
そこで何もしないでいるとどんどん忘れていってしまいますが、留まっている間に、何度も「これは大事な
ことなんだ!」と『海馬』に言い聞かせる(復習する)と、海馬から情報が整理されて、側頭葉に移動し定着
するということらしいのです。
この復習はか月以内に行うと効果があるというのが、より興味深いお話だと思います。

ついでにもう一つ。復習回数を減らして、いかに効率的に記憶を定着させるかについて。
人は、何かに興味を持つ時、θ(シータ)波という脳波を出すと言われています。
また、θ波が出るとLTP(シナプス伝達の長期増強)という現象が生じ、簡単に覚えられます。
それでは、一体どうすればLTPを発生させさせることができるのでしょうか。

1つの方法は興味を持つ事。
「何をするんだろう?」「どうしてこうするのだろう?」と興味をもって課題に取り組むと、簡単に覚えられる
ということです。自分の「好きなこと」や「興味のあること」は「簡単に覚えられてしまった」という経験は
皆さんにもあると思います。

もうひとつは、感情を伴う事。
「あっ!そうだったのか!」「やった!うれしい!」とか思わず発してしまった時の出来事は良く覚えている
ものです。感情は、『海馬』のすぐ近くの『扁桃体』という場所を刺激すれば生まれるそうですが、その時も
LTPが発生しているそうです。

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